(1)(任意団体)日本臨床検査薬卸協議会の結成まで

昭和30年代中頃(1955年頃)には、臨床検査薬ではなく、臨床試薬というものがありまして、一部の衛生検査や臨床検査に用いられておりました。臨床検査用試薬の初期でありましたが、生産は一般研究用試薬として行われておりました。

戦後、占領下の米軍病院が中央臨床検査部を設置して、目覚ましい医療成果を挙げている模様を、日本の大学病院や大手病院が見て取り、各施設で中央臨床検査部を導入し、臨床検査の確立と医療への活用が始まりました。その後、医術や医療行為の極度の進歩により、医療機器の進展と相まって臨床検査薬の扱い量は、増加の一途をたどりました。

又、昭和39年(1964年)には国民皆保険制度が制定施行され、国民の健康増進指向にも支えられて、目覚ましい発展を見ました。近年に至り、各医療機関のニーズの高度化、臨床衛生検査の手法の進歩に伴い、国内外の多くのメーカーの市場参入があり、臨床試薬が単なる『毒劇物』なのか、あるいは『医薬品』に入るのかとの議論が上がりました。 その結果、昭和60年(1985年)に薬事法の改正があり、相当数の臨床検査薬が『体外診断用医薬品』と位置づけられました。
このように臨床検査薬が医薬品としての臨床検査用試薬としてクローズアップされ、全国の大手医療用医薬品卸売業者もこの市場へ続々と参入して来られ市場占有競争は激化の一途を辿ってきました。
これらの状況の中で、平成元年(1989年)4月より施行されることになった消費税に関し、円滑なる転嫁及び納税のために、全国の臨床検査薬業界での全国統一歩調の機運が高まりました。併せて社団法人日本臨床検査薬協会のご支援もあり、消費税に関する共同行為の協定書を、全国の検査薬卸売業各社に呼びかけ、107社の賛同を得まして、平成元年3月13日に無事締結、通商産業省公正取引委員会に受理されました。
しかし、この協定書は永続的なものではなく、施行2年後にその効力が自然消滅します。従って、これを機会に臨床検査試薬卸売業者を対象とする全国組織の結成を図っては、との意見が、卸売業各社ばかりでなくメーカー各社の方々からも出され、いわゆる検査薬卸売業を専業とする業者で、全国組織を作ることが検討されました。

そして、平成元年(1989年)9月に先ずは全国を、北から北海道、東北、甲信越、関東、中部、近畿、中四国、九州の8地区に分け、各地区ごとの臨床検査薬卸協議会が発足しました。
結成と同時に改めて、我々の社会的使命として、以下の3点を十分に認識し、使命が果たせるよう研鑽に励むことが確認されました。

1)
国民の医療に大切な検査用試薬を円滑に安定供給する。
2)
最も的確な医療情報をユーザーに提供する。
3)
国の薬事行政への積極的協力をする。

その約1年半後の平成2年4月26日、8地区の臨床検査薬卸協議会の会長、役員が福岡に参集し、臨床検査薬卸協議会の全国組織結成に向けた組織拡大策について協議を致しました。そして同年8月28日、大阪にて、地区会長・役員21名が参加して全国組織「日本臨床検査薬卸協議会・設立総会」の内容を詳細に検討して、平成2年11月9日、東京にて臨床検査薬卸売販売業者(専業、兼業共に)117社の参加の下、設立総会を開催するに至りました。


(2)一般社団法人日本臨床検査薬卸連合会
   (旧・日本臨床検査薬卸協議会)の使命と業績


平成2年度(1990年)の日本における総合医療費は、すでに20兆円の規模を超え、年率5〜6%の伸長が見られていました。そのうち臨床検査に用いられている医療費はおよそ12%台で推移しており2兆数千億円の規模になっており、臨床検査は、良質で効率的な医療の基盤となる的確な診断にとって、無くてはならないものになっていました。臨床検査に不可欠な臨床検査薬の生産量は、昭和60年頃は、年額1300億円程度の生産規模であったものが毎年7%前後の生産増加があり、平成2年では、約1800億円、平成3年度は2000億円を超える規模になりました。現状では像影剤等も含めると、年額3000億円を超え、医療機器システムの販売をも加算すると、4000億円の規模にまで達しております。
総合医療費の規模も33兆円に及んでいる医療提供体制の中で、改めて臨床検査薬卸売販売業の使命を見直してみると、いくつかの課題も浮き彫りになりました。

1)
臨床検査薬の品質保持と安定供給
2)
流通近代化の取組と改善
3)
臨床検査に関する的確な医療情報の提供
4)
国の医療行政への積極的協力
5)
緊急時の臨床検査薬供給、サービス提供
6)
新技術導入時のシステムサービス協力
7)
医療機関の患者QOL向上対策への支援

以上の事柄は、臨薬卸協結成から20年が経過し協議会会員会社が目指してきたことです。それは単なる流通業一社の努力にとどまらず、人材の確保と育成を伴う個々の経営努力と併せて、臨薬卸協の組織全体で取り組まねば成しえない成果を収めて参りました。

かつて、国際的にも日米構造協議等で日本の流通に対する関心がクローズアップされたように、現在では臨床検査薬・機器の流通・サービスのグローバルスタンダード化と技術革新が進み、他の業界にも増して、一層の流通近代化、効率化、安全性の確保、情報管理体制の整備、医療機関への経営効率化の提案等、ビジネススキームの多様化が必要とされ、流通業としての、信頼性を求められる時代となりました。
それに伴い、日本臨床検査薬卸協議会は総会の決議を経て新法人を設立し、一般社団法人日本臨床検査薬卸連合会としてスタートいたしました。今後ともこれらの社会的ニーズに応えるためにも、その地位の向上を図り、社会的使命を達成するために、旧来にも増して組織力を充実したものにして行かねばならないものと考えております。

 


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